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杉田亜紀 ダンサー・振付家  
「縁側」


©夏目啓一郎



  既視的に完成された「こういう表現です」と提示する以前の、多分未見でしょうけど「コレなどどうですか?」というような状態。それは如何様にもキャッチされるのではないか。意図しないところで可笑しかったり、エロかったり、凛としてたり、喋れば舌足らずのぶりっ子に見えたり。

  私が見ている私と、人が見ている私は違います。そのズレからダンスは立ち上がるのか。例えば、時間のミクロ的視点で身体の細部を紡いでいくと、観られる者と観る者との間に「縁側」が現れて、その場で双方向の想像力が働きます。私の知らない私が生まれてきて、その私に私も出会う。そんな豊かな「縁側」を求めているような気がします。またそれが、双方向の想像があいまった時に一つのリズムになり、音楽にも聴こえるような。ノイジーな身体から音楽の身体への移行。

  地元和歌山で発表した初ソロ作品の東京版リヴァイバル2012年9月発表『りじりじり』でそれは発掘され、2014年1月『知覚』で極まり、2015年1月『無印』で攻めて、2015年8月発表『支度気無(しどけない)』では更に裾野を広げてみました。

  この先どうなるのか?また作品を発表する時のお楽しみになります。それは私にとってです。





杉田亜紀 Aki Sugita
和歌山県生まれ。4歳から踊り始める。2000年「ポコペン舞子」結成以降、活動を共にする。その後、じゅんじゅん、鈴木ユキオ、伊藤直子などの作品に参加。ソロ創作活動を始める。これまでに『りじりじり』『知覚』『無印』『支度気無(しどけない)』を発表。「ダンスがみたい!新人シリーズ13」にてオーディエンス賞受賞。また、インストラクターとして、子どもから大人まで様々なからだと向き合う日々。asiakishu@gmail.com

次回公演
未定





[artissue FREEPAPER]

artissue No.006
Published:2016/01
2016年1月発行 第号
特集・東京以外の劇団からの<発信>

第七劇場(三重) 「多色の時代へ ーそれぞれの創造活動のためにー」
百景社(茨城) 「今まで 今 これから」
劇団アンゲルス(石川) 「地方からの発信=金沢」
風蝕異人街(北海道) 「地方からのアングラ的演劇方法の発信」



 

「飼いならされていない身体の表明」 原田広美
「哲学を生きることのぎこちなさと驚き」 坂口勝彦
「唐十郎は生きている。」 うにたもみいち


 
「縁側」 杉田亜紀 ダンサー・振付家
「いまを生きる僕を」 陳柏廷 / TAL演劇実験室 主宰